【ゼロ・0とれい・零】

数字には、0(ゼロ)があることは当然のようになっている今、日本語では、0を零・れいと呼ぶこともあることに気づかされます。電話番号の03は、ゼロサンともレイサンとも呼ばれます。温度も0度は、レイドと表現されます。

この補章では、このゼロを取り上げたいと思います。
まず、漢数字で使われる「零」。これはゼロとイコールなのでしょうか?
以下にWikipediaの零の説明を転載して、紹介します。


<Wikipediaより、転載>



れい【零】

1 ある数からそれと等しい数を引いたときの数。整数に含まれる。ゼロ。

2 位取りで、空位であること。

れい【零】[漢字項目]

[常用漢字] [音]レイ(漢) [訓]こぼれる こぼす

1 水滴がおちる。「零雨・零露」

2 枯れおちる。おちぶれる。「零落/飄零(ひょうれい)」

3 わずか。はした。「零細・零墨・零本」

4 ゼロ。「零下・零点・零敗」
[難読]零落(おちぶ)れる・零余子(むかご)


<転載、以上>

ゼロを漢字などで表現する際のものだということがわかる反面、それだけではなく、ゼロ=零でないことがわかってきます。非常に細かなものとして、零という表現を用いていたことがわかります。

それでは、漢字の零がゼロとイコールではなく、その漢字の単なる訳語だとされたとすると「ゼロ」はどこからやってきたのかということになります。

無がゼロであれば、それを見つけることは困難です。とするとこれは人間が発明したもの?以下は、ゼロの発明の話です。


【ゼロの発明】

はるか昔,人間にとって「自然数」が数の全てでした。

羊が4匹いる。石ころが7個ある。木が10本生えている。といった自然界の個数から1、2、3、4、…という数を使うようになっていったといわれています。その後、半端な数や分配を表すのに「分数(有理数)」が使われるようになりましたが、いずれにしても身の回りにあるものをターゲットにして数を用いていましたので、「羊の肉を1/3匹分」とか「水をこの入れ物の2/3だけ」とかいう風に,現実に置き換えられる数ばかりが使われていたわけです。
木が一本も生えていない状態は、人間にとってただ「何もない」状態であって、数を用いる必要のない状態でした。
だから、昔の人間は「0」という数を必要としなかったのです。

【インド発明されたゼロ・0】

インドで発明されたのが、アラビア数字(現在私たちが使っている数)です。この数字がヨーロッパに伝わり、小学校で習うような筆算が広まり,計算技術は大きく発展していきました。

インドでは随分早くから「何もない」状態を「0」と表現する発想があり、「0」も数の1つであると認識されていました。はっきりした時期は分かりませんが,インドでのこの認識こそが,「0の発明」と呼べるものだと言われています。「何もない」を「0がある」と発想転換することで,計算技術に大きな革新をもたらしたのです。

0が発明されたことにより,数の世界は大きく変わりました。
まず、位取り(1の位,10の位という発想)の発想が生まれたことで、これまで分数で表していたものを小数で表せるようになりました。小数は分数に比べて直感的に分かりやすく、計算も便利なため、あっという間に世界中に広まりました。

また,0は数の世界に革命的な拡張をもたらしました。0を基準として、正の数、負の数という発想が生まれたのです。
-3,-4,-5といった負の数が数として認知されたのも、0が発明された結果です。これまではただの「無」という状態に過ぎず,数直線の端に置かれていた0は,負の数の登場により全ての数の基準・中心的存在になったのです。

このゼロの発明に関する文献は、以下のような著書でより詳しく学ぶことができます。

【ゼロの発明に関する文献、著書】

*「零の発見−数学の生い立ち−」(吉田洋一著)
*「数学史の小窓」(中村滋著)
*「インドの数学−ゼロの発明−」(林隆夫著)

これらの著書によるとインドでは、「概念としての空白」から「数としてのゼロ」へと発明されたようです。

インドでは、2世紀頃に、「空白」「うつろな」等を意味するサンスクリット語の「Sunya」が「ゼロ」や「無」を意味する言葉として使われていたが、そのころは数字として扱われていたわけではなかったのです。
それが、7世紀(紀元628年)に、数学者・天文学者であるブラーマグプタが、その天文に関する著書「Brahmasphuta Siddhanta」(宇宙の始まり)において、「0(ゼロ)と他の整数との加減乗除」について論じ、0/0を0と定義した以外は全て現在と同じ定義を用いた。これが、「数としてのゼロ」、即ち「数学的演算の対象として、初めて0(ゼロ)を取り扱った」ことで0が発明されたとされたようです。

「数としてのゼロの発見」により、0(ゼロ)を含んだ表記法で表された数字の計算が行えるようになり、「0(ゼロ)が加法(足し算)における単位元」として確立されることになりました。


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