2.は多様性が鍵となる

この章では、4つの項目自ら「生涯を設計する」「地域は自治で自立する」「非営利民間セクターを立ち上げる」「移民政策へ踏み出す」から成り立っています。この項では、最初の2項目をそれぞれを以下に転載して、ご紹介します。


<「2.多様性を力とする」より、転載>

自ら生涯を設計する

日本人の人生は、教育を受けて知識の吸収に専念する時代、仕事や育児にたずさわる時代、文字どおり後に残された生活である老後と、大きく輪切りにされている。 しかし、元来、自己を実現していく上では、人生は一貫したものであるべきである。 そして、個人が、男女の別なく、年齢を問わず、人生のその時々のステージ(ライフ・ステージ)で、自分のニーズにもっとも合ったライフ・スタイルを自由に選択ができるのが望ましい。

それを可能にするには、教育、雇用、育児、社会での継続学習・継続訓練、医療・ 介護・年金といった社会保障、経済活性化策などを一体のものとした総合政策が考えられなければならない。

(中略)

「就職」が「就社」を意味した時代 は終わりつつある。
職場は変わっても、生涯を通じて、能力が正当に評価され、やりがいのある仕事ができ、多様な雇用形態が選べ、能力開発や再挑戦の機会も提供されているようにならなければならない。
年金は、各人が自分の生涯設計に応じて選び、 人生のある時期に拠出したものを高齢期に受け取れるという考え方が重要となってくる。また、高齢者介護の選択肢とともに、病気予防や保健サービスの選択肢を増やすことなども必要となっていくだろう。


<転載、以上>

これらの項目が問いかけるものは、「それぞれの世代、ステージで自らが生涯を設計することができているか」という単純で、且つ、難しいものです。

その課題の前で最も大きなキーワードは、「就職」は「就社」であってはならないということではないでしょうか。「職」はそのまま、コミュニティ(会社に限らないもの)、社会のための技術を提供する仕事と言い換えてもいいかもしれません。

「職」というものは、本来それをしっかりステージごとに先人から、後輩へと継承していくシステムを構築していく必要がありました。ところが、常に新たな技術の登場は、一見継承ということが困難で、やたら改革ということが当たりまえで、それまでとの技術的な断絶や大きな飛躍が当たりまえのように感じられてきてしまうようになりました。
しかし、本当にそうでしょうか?実は、そんな革新的な変化のある社会でも「優れた先人の知の継承」は欠くことのできない「鍵」なのです。

「知の継承」は、自然に実現できるようでいて、そうでなく、教育による指導が不可欠なものなのです。その教育を推進していくための地域社会環境の整備が大きな課題の一つだと提起してもいます。「継承」と「教育」はこの地域社会でも大きな課題です。この二十一世紀日本の構想で、提起しているのは、まさにそうした地域の力をいかに拡大していくかというものです。
そのためには、国(公教育)だけに頼らず、市民からの「協治」によって、新たな地方創生を実現していく必要があるという提言です。
そうして、今必要な「地域自治」のあるべき姿が次の項目で以下のように語られます。



<転載部分>

地域は自治で自立する

これまでの中央と地域の関係は、富を中央が地方に「あまねく公平」に分配する中 央集権型であった。国土の開発や社会資本の整備は、いわば、地域に対する所得保障 の機能を持ち、これが逆に、個性のない地域、脆弱な都市を生んできた。中央からの 資金の移転によって財政支出と歳入の差が穴埋めされる現在の仕組みでは、地域の財 政健全化はなく、自立もない。

人々が多様な価値の実現を実感していく上で、21世紀には、暮らしの場としての地域にも多様性が満ちていることが不可欠である。
そのためには、中央政府の権限を知事や市町村長に移管するという地方分権の発想ではなく、地域住民が地域の政府のあり方を自分で決められる仕組みをつくり出すことが必要である。 それには、まず、中央と地域が水平的な関係に立つことである。
地域独自の課題に おいては、サービスと負担の兼ね合いを地域の住民が選択できる本来の「自治」の確立が求められる。このため、地域の政府は自己責任で自立しうる規模とし、地域の財源については、中央の税源を地域に移管するという考え方をさらに進めて、地域の歳出に充てられる税や地方債は地域で独自に決めるようにすべきである。地域の政府の 再建や合併のルールを整えることも必要である。

そして、地域における行政は、最大限の住民参加を確保し、行政の裁量を限定し、迅速な執行を可能にする仕組とするべきである。


<転載、以上>
プリンタ用画面
友達に伝える
投票数:1 平均点:0.00
前
1.先駆性を活かす(教育の転換、グローバル・リテラシーの確立)
カテゴリートップ
二十一世紀日本の構想を読む