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【造酒司】

<Wikipediaより、転載>

造酒司

酒造司(みきのつかさ、さけのつかさ)は、律令制の下で置かれた役所で宮内省の被官。
主な職務は酒や醴・酢などの醸造をつかさどった。四等官は正(かみ)、佑(じょう)、令史(さかん)が1名ずつおかれ次官(すけ)に相当する職は置かれなかった。その他、酒部(さかべ)、使部などが置かれた。また、酒などを醸造するための酒殿(さかどの)が設置され、別当、弁などの職が置かれていた。

<転載、以上>

また、月桂冠酒造の公式サイトにある「酒産業史」では、宮廷の酒について、以下のように記載しています。

<転載部分>

宮廷の酒

10世紀、酒は宮中に設けられた「造酒司」(みきのつかさ)で、四季折々にいろいろな酒がつくられ、貴族たちの間で飲まれていました。

『延喜式』(905〜927年、平安期、宮中での儀式や制度の規定書)には朝廷における酒造法が詳しく記されています。たとえば、いったん発酵の終了したもろみを濾し、この酒に、さらに蒸米と米麹を入れて再発酵させ、再び濾すという「シオリ」法でつくられる「御酒」(ごしゅ)。あるいは 水の代わりに酒を用い、こうじの量を多くし、甘味を強くした「醴酒」(れいしゅ、ひとよざけ)。毎年、秋の新嘗祭の節会酒として、水を少なくし、濃厚甘口とした「白酒」。それに久佐木(くさぎ)の灰を加えた「黒酒」(くろき)。その他、麦芽も併用した「三種槽」(さんしゅそう)。もろみを臼で磨った「すり槽」など、10種類にも及ぶ多種類の酒が記されています。

<転載、以上>

また、奈良文化財研究所にある「木簡ひろば」には、造酒司の発掘についての記載があります。以下に転載しておきます。

<転載部分>

造酒司跡【ぞうしゅしあと】

 造酒司は宮内省に属する部署で、酒類を司る部署。出土した木簡に、「造酒司」と明記された文書木簡、酒造と関わる米の荷札が出土したことが根拠となり、この地区を造酒司と推定された。

 毎年定期的に種々の酒や酢を醸造していた。造られた酒や酢は、内裏に供されたほか、神事や節会の際にも用いられ、献酒の行事にも関わっていたとされる。造酒司出土木簡の検討では、天皇一代に重要な祭儀である大嘗祭に関わる木簡が含まれることが判明。その天皇は、木簡の年紀から、聖武天皇と推定され、神亀元年11月23日に行われた大嘗祭の準備に用いられたとみられる。

平城宮内で、現業部門を抱える官衙として所在が判明している唯一の例であり、他の現業系官司を考える際の重要なモデルになりうる発掘成果となった。木簡以外の遺物では、食器類の出土が比較的少ないのに対し、大型の瓶や盤類の出土が多く、酒甕に封をするためとも推測される銅印も出土し、酒造の工程の痕跡をうかがわせる。三期にわたる遺構の変遷をたどると、井戸の増設や移動に伴い、建物の配置が変わっていく様子や、建物数や大きさが拡大していく状況がわかり、生産体制の整備や拡大が進行したことが想像できる。

●発掘された造酒司の井戸●


<転載、以上>

さらにこうした発掘を通じて、古代の酒造りについての考察を同研究所の玉田教授がまとめています。同考察「考古学からみた酒造り」は、
こちらから、ご覧いただけます。

【造酒司の職員構成と組織】

造酒司
藻壁門の内、典薬寮の北、内匠寮の東にあったようです。
【造酒正】<かみ・せい>
造酒司の長官。相当官位は正六位上。古くから酒部公(さかべのきみ)の世職でしたが、その後、欠員の出てしまうことが多くなったため、他氏からも任じることになります。定員は1名。

【造酒佑】<じょう・ゆう>
造酒司の判官。相当官位は従七位下。定員は、1名。
【造酒令史】<さかん>
造酒司の主典。定員は一人。相当官位は大初位上。
【史生】
造酒司の事務官。定員は2名。796年に設置。816年に2名増員。
【使部】
造酒司の事務官。定員は12人。のちに6人に減員。
【直丁】
造酒司の雑用官。定員は1名。

【酒部】<さかべ>
造酒司の職員で、伴部。酒の醸造実務に携わっていました。定員は60人。酒戸から選抜された。807年に40人に減員したのですが、816年には60人に復活しています。
【酒戸】
造酒関係の家。185戸ありました。内訳は、大和に90戸、河内に70戸、摂津に25戸あったようです。

酒殿<さかどの>

酒造所です。別当、弁、預(あずかり)といった職があったことはわかっていますが、詳細は不明です。場所は、外記庁の東にありました。お酒は播磨の米を用いて造り、それを納める酒壺を、大刀自(おおとじ)・小刀自(ことじ)・次刀自(つぎとじ)と言ったようです。

【別当】
酒殿の長官。
【弁、預<あずかり>】
酒殿の職員。
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