<日本いも類研究会の趣旨>
1.背景(需給の動向)
(1) かんしょ及びばれいしょなどのいも類は、消費者の健康志向、自然志向等を背景に安全・自然食品や食物繊維・ビタミン等の健康イメージが若者層にも定着し、青果用及び加工食品用を合わせた「食用」については需要が増加基調で推移しています。
(2) しかしながら、ばれいしょで約4割、かんしょで2割強を占める「でん粉原料用」については、でん粉需要の減少傾向に加えて、安価な化工でん粉の輸入増加によりばれいしょでん粉固有用途販売が減少しています。また、需要の増加している加工食品用の分野でも、ばれいしょでは米国、カナダ、かんしょでは中国からの冷凍調製品にシェアを奪われ、国産比率は大きく低下するなど厳しい状況にあります。
(3) 一方、生産面では、北海道では大型機械一貫作業体系が実現されているものの、都府県では機械化が十分でなく、農家の高齢化もあって作付面積、生産量とも減少に歯止めがかからない状況です。

2.問題意識と趣旨
 このような厳しい状況の中で、いも類の生産・流通・消費の拡大を図るためには、以下のような視点から基本に立ち返って検討を行い、出来ることから実行に移すことが必要です。
(1) 今後は厳しくなることが予想される世界的な食料需給の動きのなかで、『いも類』の重要性を見直し、国際的な視点を持ちながら、国内生産のあり方を考える必要があるのではないか。
(2) 流通、消費の問題を解決しなければ生産についても展望はひらけない。国内生産力を維持・増進するためには、最終ユーザーである消費者、実需者、生産者を繋ぐ『輪』を早急に作らなければならないのではないか。
(3) そのためには、消費者、外食・食品加工産業、市場、生産者、学識経験者などが幅広く連携し、出来る限り自由な立場で意見交換することができるネットワークを構築し、以下の目標に向けて出来るところから実行に移すことが必要ではないか。

3.必要な行動目標
 このために、日本いも類研究会では以下に列挙した項目の実現に向けて活動を展開します。

(1) 情報の公開と普及・啓発
インターネット等を活用して情報を常時、迅速に提供できるシステムの構築
(Clear-Communication & Competition)
外食産業、食品加工企業等のユーザーと生産者双方への新品種等のPR
学校や一般家庭も含めた新品種の栽培試験による「おいもファン」の獲得
(2) 研究開発と国際協力の支援
いも類に関する国内の研究者、技術者、普及担当者等の連携強化
各種の研究会の開催及び支援(成分分析による食味評価手法、育種・種苗増殖技術、難防除病害対策など)
国際機関、学会等との連携強化(例えば国際熱帯いも類学会などの開催支援)
(3) 種苗供給の円滑化
新品種の発表後、速やかに種苗を提供出来るシステムづくり
効率的、安価な種苗増殖手法の開発と実証
種苗流通ルートのオープン化
(4) 需給バランスの回復
でん粉原料から業務用・加工食品用への転換など需要動向に対応した生産
品種特性に応じた利用のPR、新商品・新規用途の開発による新たな需要の創造
消費者の自然・健康志向に対応した『美味しく、安全で、健康的』な商品の提供
圃場とユーザーを直結した新たな流通システムの導入によるコストの低減

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